寝る前によくおもうこと

意識低い系なので安心して読んでほしいです。

【お題】小林多喜二『蟹工船』は、まさに週刊少年ジャンプの先駆けだった。

今週のお題「読書感想文」

 

 

最近読んだなかで断トツ面白かった本、

小林多喜二の『蟹工船』。

 

なんというか、兎に角アツい!

読んでから数週間時間が経ってしまったのですが、

最近読んだ本のなかでも一番面白かったと、すぐに言えます!

 

出稼ぎ労働者たちの、蟹工船内部での生活を描いたもの。

暴力・虐待・過労・病気で死んでゆく仲間もいるなかで、

人々はどうやってその環境に抗っていくのか。

舞台はオホーツク海の上に浮かぶ蟹工船内部。

主人公はいない。

主人公は、労働者、君たちひとりひとりだ!

劣悪な労働環境、閉鎖された空間で人間の光をみる

超壮絶ドキュメンタリー!

 

、、みたいな感じ。

なんとなく『蟹工船』って暗い、とっつきにくいイメージがありましたが、

読後は本当にこんな勢いの感想を持ちます。

 

蟹工船に乗り込んでからの序盤は

労働者たちへの扱いが目に見えるような鮮やかさで

酷い労働・生活環境が描かれています。

もう、正直読んでいられなかった。

辛いし、痛いし、腹が立つし、本当に最悪でした。

(これだけ感情移入できるって、本としては最高なんですけれど)

もう読んでるこっちが寒い寒い眠い眠い。

 

そんななかでも、一緒に働く者たちは、

楽しいことを見出したり、酒を飲んで騒いだり、愚痴を言い合ったりして、

なんとか踏ん張って生きていこうとしているのです。

なんというか、ドロドロの背景だけれど、

人間のキラキラが見えるというか。

どんなときでも、人は絶望しないことができるというか。

この感情、以前にも別の本で感じたことがあるような、、と思っていたら

ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』でした。

あの作品も、私は人間の光を強く感じたことを覚えています。

 

 

 

 

話は『蟹工船』に戻り、

労働者たちをこき使う「監督」がまじでくっっそ嫌な奴なんです。

悪をそのまま擬人化したのか!?と思うくらいに嫌な奴。

ただでさえそんな奴に共感なんてできないのに、

搾取されている労働者たちの光を見ている私、

もう労働者たちに肩入れせずにはいられません。

いやもう、、私もみんなの仲間、そのような気持ちになってくるのです。

本当に。まじでそんな感じに思えてくる。

 

労働者たちはその悪の権化「監督」に抗うため、今いる環境に抗うため、

ストライキを計画します。

一度は失敗してしまうんですけれど、、

二度目のストライキが、小説の締めのように描かれています。

 

そのストライキの勢いが、

というか、

そのストライキを決行する労働者たちの気合と勢いが、

もうわたしの心の中の蟹工船労働者が(!?)

ひたすら武者震いを起こすのです。

終盤まで読めばわたしも仲間なんです。

仲間になっちゃっているんです。

 

開く瞳孔、手に滲む汗、周りの音は聞こえない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いっけぇぇぇぇ~~~~~!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は気付いたらそう叫んでいました。

 

そこで気付いた。

私はジャンプを読んでいたことに。

 

蟹工船

これはまさしくジャンプだったのです。

 

友情・努力・勝利。

 

全てがこの小説に詰まっています。

 

皆さんも是非このプロレタリアジャンプを読み、

わくわくしましょう。

 

俺たちの青春は、ここにある________________